
東京オリンピックや外国人旅行者の増加を背景に、最近日本人の間でも、古き良き伝統文化や生活スタイルが脚光を浴びるようになっています。
「和カフェ」が今、注目の的
カフェの世界でも、最近よく耳にするのが「和カフェ」。カフェといえばコーヒー、カフェといえばスイーツと、これまで「洋」の独擅場でしたが、今やそんな世界でも「和」が存在感を増しています。そこで今回ご紹介するのは、茗荷谷にある「cafe竹早72」。メニューは和菓子、ぜんざい、おしること完全なる和カフェなんです。
和の甘味を日常に
今回私がいただいたのは、季節の和菓子と抹茶のセット(1000円)。ですが主役に行く前に、ひと匙のあんこが目につきます。「あんこだけを食べることはなかなかないので」と話すのは、オーナーの小松さん。実は和菓子店の娘さんなんだそうで、なるほど、確かに和菓子の中心的存在でありながら、表立って主役になることは少ないあんこ。そこに光を当てるとは、長年和菓子に親しんできた人ならではですね。
口の中に広がる72の季節
さて、あんこの後は季節の和菓子。数種類から1つを選ぶことができ、私は「ふきのとう」をチョイスしました。ふきのとうといえば、雪の中から顔を出す早春の山菜として知られていますが、都会に住んでいると実物を見る機会なんてまずありません。和菓子とは思えないほど繊細に作られたその姿を前に、「これがふきのとうなのか〜」などと感動しながら、花の部分は味が異なるので聞いてみると、なんと、ふきのとうそのものが練り込まれているんだそう。季節を感じるだけでなく、その味までも楽しめるなんて!
ということで、和菓子に季節を教えられる茗荷谷の「Café竹早72」。店名の72は、日本で古くから季節を味わう指標として伝わってきた「七十二候」から取っているのだとか。「冬至」「夏至」など、天気予報などでたまに耳にすることのある七十二候。実は5日ごとに異なる「候」が72個もあり、それぞれに特有の風物や気候があるのだそうです。
季節を味わう和菓子の楽しみ
忙しい現代の日本人は、残念ながら季節の移ろいを5日ごとに味わうような余裕はありませんが、たとえ外は寒い冬でも、ふきのとうに春の訪れを予感するように、季節を味わい楽しむことはいにしえの日本人ならではの知恵。「Café竹早72」で味わえる季節の和菓子をきっかけに、今がどんな季節なのか、楽しんでみるのもいいかもしれません。
Cafe竹早72
代表者 小松 美幸さま
所在地 〒112-0002 東京都文京区小石川5-14-2
最寄駅 東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅から徒歩8分
TEL 080-2247-4567
WEB Cafe竹早72(Facebook)
営業時間 10:00~16:00(L.O.15:30)
定休日 毎週日曜日、月曜日、祝日、隔週土曜日