突然ですが、金町という街をご存知でしょうか。そこはJR常磐線と京成線が乗り入れる、葛飾の下町。足を一歩踏み入れると、まるで昭和から時が止まったような街の佇まいが広がっています。
漂うのはコーヒーと昭和の香り
今回ご紹介するのは、そんな街によく合う「純喫茶アラスカ」。純喫茶という響きを聞くと、「純じゃない喫茶があるの?」なんて勘ぐってしまいそうですが、最近流行りのカフェではなく、昔ながらのいわゆる「喫茶店」を指す言葉として、ファンの間では定着しているようです。
純喫茶という貴重な存在
純喫茶アラスカがあるのは、金町駅から北に少し歩いた住宅街の中。目に映える青い屋根と、堂々たる大きな看板、そして店頭に立つのぼりが目印になっています。
扉を開けてみると、広々とした店内には、「純喫茶」の名にふさわしい、昭和レトロな雰囲気が全開。個人的には子供の頃、親に連れて行かれた喫茶店を思い出すような空間です。「常連さんがくれた」というこちらの編みぐるみもまたレトロ!
そんな純喫茶アラスカがオープンしたのは、今から40年ほど前のこと。当時は「純喫茶」という業態があちこちにあったのに、今はそのほとんどが姿を消し、アラスカは純喫茶ファンの間で貴重な存在になっているのだとか。ひょっとすると平成生まれの若者は、純喫茶そのものを見たことも聞いたこともないかもしれませんね。
サンドイッチも懐かしい味
ここで私がいただいたのは、コーヒーとサンドイッチ。軽食メニューがかなり豊富にある中、サンドイッチをチョイスしたのには理由があります。それは、ここならあの懐かしい味、バターの味がしっかりするサンドイッチが食べられるかもと思ったから。というのも、平成の世になって以来、コンビニのサンドイッチでただの一度も、あの味に出会ったことがないのです!
という謎のテンションの中、運ばれてきたサンドイッチは期待を遥かに超える味とボリューム。バターの味をしっかりと感じながら、この日夕飯を抜くぐらい、満腹&満足しました。
昭和の風情を伝えます
ということで、40年もの長きにわたり、昭和の雰囲気と味を伝え残してきた純喫茶アラスカ。まるでタイムスリップしたかのような空間には、今風のカフェにはない独特の風情があります。そんなことを味わいながら、金町を後にしました。